最後の1行で涙が溢れる
そんな紹介文を目にして読み出した小説。主人公はごく普通の若い男女なので誰にでも共感できる万人向けの作品。 事件に巻き込まれ世界初の脳移植手術を受けた純一。しかし術後徐々に人格が変わっていく自分を 止めることができず自己崩壊の恐怖と不安に駆られる。恋人を愛せなくなり好きな絵も描けなくなる。 その恐怖と不安を鬼気迫る臨場感で描く。ついに純一はドナーを突き止めるのだが・・・。 そこには移植チームが極秘にしなければならない真相があった。自分とは何なのか。自分が自分ではなくなるとはどういうことなのか。自分を自分たらしめているものっていったい何なんだろうか。 『容疑者Xの献身』で直木賞を受賞した東野圭吾の代表作。セカチューなんかで喜んでいるような人は読まない方がいい。 ちなみに。笑いのネタにもならないヒドイ出来なので映画版のほうは決して観ないように。これは邦画界に蔓延している「優良コンテンツの食い潰し」の典型的な例といえる。