知ることの恐怖と、知らないことの恐怖。

今はどうか知らないけど、かつては経済大国といわれたこの国で食糧難に直面するなんて思わなかった。そういえばその前は農業大国だったはずのこの国で。 きっかけは今しきりに報道されてるミートホープ社の偽装事件だ。テレビや新聞でどのような報道がされてるのかは詳しくは知らないんだけど、その内容は大方「異種肉の混入」と「産地偽装」だと思う。 でも今回の偽装はそんなレベルじゃない。大体、牛肉と豚肉の単価を比べてみても高級肉でない限りそんなに値段に差はないから、「異種肉の混入」と「産地偽装」くらいじゃあどう見てもハイリスク・ローリターンすぎる。じゃあ何でこんなことを7年も続けてたかって言うと儲かって儲かってしょうがない方法を思いついたからだ。 それは完全に腐ってて腐臭が漂っている肉を消毒液に一晩漬け込んでそれをミンチにし、新鮮な牛肉の色を再現する為に大量の家畜の血で染色し直したものを、牛肉のミンチとして出荷していたってワケだ。元々廃棄するはずの肉だったわけだから元手はタダだ。儲からないワケがない。業界のプロが7年間も気がつかなかったんだから、その偽装っぷりは相当なものだったんだと思う。 僕がテレビとか新聞で見た報道からは、これまでもあった「異種肉の混入」と「産地偽装」がまた発覚したという程度の印象しか受けなかったんだけど、これってテレビとか新聞で報道されてるのかな? 豚の心臓が混入されてたって言うのはニュースでやってたけど。 取引先を見てみると加ト吉を始めとした冷凍食品やファミレス、コンビニ、さらには消費者側が選択することのできない学校給食にまで納品されてたみたいだから完全な菜食主義者でない限り日本人のほとんどが一回は口にしていると思う。 田中社長も言ってるけどこれは氷山の一角だろうし、世の中には出所のわからない食べ物がものすごく多いことに改めて気付かされる。 例えば米。ある卸問屋は超有名ブランド米をA・B・Cの3つに分けてて、お寿司屋さんとか料亭などの味にうるさい店にはAを、定食屋さんや安いファミレスにはBを、チャーハンにしたり味の濃いものと一緒に食べる中華料理屋さんなんかにはCを卸してる。これは、Aはブランド米100%、Bは古米や他の安い銘柄の米を30%混ぜたもの、Cは同じく50%混ぜたものなんだけど、卸値は当然Aと同じで全てブランド米100%として卸してるってワケ。 でもまぁ古米や他の銘柄が混じってたからって害があるわけじゃないからまだマシな方なんだけど、程度の問題じゃないし卸値は当然商品の価格に反映されてるわけだから損をしてるのは我々消費者ってことになる。 例えば鮭。回転寿司やふりかけ、鮭フレークなんかの加工品はそのほとんどが輸入された養殖サーモンなんだけど、どこから輸入されてるかって言うとカナダからだ。カナダは良質のサーモンが取れることで有名だから安心と思うかもしれないけど、これが極めて得体の知れない危険物なのだ。肉骨粉はBSEの主原因とされたもので、牛の脳や目玉、骨髄などの危険部位や死んだ牛を丸ごと粉末にしたもので、輸入自体はかなり前から禁止されてるし、ほとんどの国が使用自体を禁止してる。 だけどカナダとアメリカだけは牛への使用は禁止してるけど、牛以外の家畜や養殖に対しては使用を禁止してなくてカナダで養殖されてるサーモンは肉骨粉を食べて育ったものだ。カナダで養殖されてるサーモンはそのほとんどが日本へ輸出する為のもので、回転寿司の90%以上、普通のお寿司屋さんの70%以上、スーパーやコンビニで使われてるものはほぼ100%がこの養殖サーモンだ。ちなみに地元の人は絶対に養殖サーモンは食べないそうだ。近くで天然サーモンが獲れるんだから当たり前か。 肉骨粉を食べて育った鮭が人体に害をもたらした例はまだないけど、BSEが発生した以上はその可能性は充分にあるし可能性がある以上は食べないにこしたことはない。 例えば納豆。日本の大豆の80%以上はアメリカから輸入されてるけど、「遺伝子組み換え大豆不使用」表示のものでも安心してはいけない。なぜなら5%程度の混入は「不使用」表示してもよいという事になっていて、アメリカの大雑把な安全管理体質を容認する措置がとられている。また、商品名は言えないけど激安の納豆はほとんどが中国産大豆でさらに危険度が増す。だから僕は純国産で遺伝子組み替えでないものしか買わない。普段は2パックで250円くらいのものを清水の舞台から飛び降りる気持ちで買ってるけど、マジメな大豆農家、稲作農家にその対価を払うのは当然だし、消費者としてそういった農家を応援したいとも思っている。 例えば鰻。スーパーなどでは早いところでは4月くらいから店頭に鰻が並ぶけど、その中に「四万十川産」とか「新仔使用」とか書かれてたりする。しかしこれは100%産地偽装だ。四万十川の養殖鰻は生産量が少なく、直接契約している料亭などに納品されるだけで一般市場にはほとんど流通しない。少なくともスーパーや通販などで販売できるほどの量を確保することは絶対に不可能だ。しかも4月には国内のどの養殖場でも新仔は出荷していない。ではどこで獲れたものかというとこれも中国だ。 中国はものすごいスピードで経済発展して国際社会でも大きなポジションを占めるようになってきたけど、その速度に民間レベルのモラルが追いついていないのは周知の事実で、グローバル・スタンダードとはまだまだ程遠い。そんな国が輸出品の安全管理の徹底が出来ているとは到底思えない。 例えばアサリ。これはもう色んなところで報道されてるから今さら言うことじゃないけど、日本人が食べてるアサリの40%、輸入アサリの65%が北朝鮮産だ。国産と表示されてるものでもその出所は北朝鮮の場合があって、「畜養」といって国内の養殖場に数か月寝かせることで国産表示が可能となる。北朝鮮産のアサリを買わない主な目的は、外貨獲得のために強制労働されてる北朝鮮の子供を守る為だけど、どんな物質が排出されてるかわからない海域で育ったアサリはやっぱり危険だと思う。 例えば米国産牛肉。例えば野菜。例えば・・・ってもうキリがないから割愛するけど、こんな状況を知ってしまったがためにスーパーに行っても買えるものがホントに少なくて、物は溢れているのに食べられるものがないという食糧難に陥ってしまっている。 こういうのを過剰反応と思う人もいるかもしれないけど、僕の周りでは僕と同様危機感を感じてる人と 何も気にしていない人がちょうど半々くらいだった。ただ、何も気にしていないって言ってる人も何か根拠があるわけじゃなくて、「まぁ大丈夫だろう」っていう楽観視によるものだ。これはあまりにも無知だ。 状況を把握した上で安全だっていえる根拠があってそうするのであれば、尊重すべきスタンスではあるし、ご教授いただきたいと思うけど、そういうふうに考えることを放棄しちゃった人に限って事実を知った時に過剰に反応したりするんだろうな。 与えられた環境を疑いもせず好きに生きることは誰にでも出来るけど、それって自らの意思で能動的に生きてるって言えるんだろうか。今回の件のように「知る」ことは時に窮屈な生き方を選択せざるを得ないこともあるけど、「知らない」ことで経験や機会、金銭や健康、安全を搾取されるよりはよっぽどマシだと思う。 知らずに欲望の赴くままに生きて何年後かに得体の知れない病気で誰かのせいで死ぬよりも、知って窮屈かもしれないけど自らの意思で選んだ道を生きたほうが健全だ。 なぜこんなのが野放しになっているかというと、それはその辺りを統治している者が自分の利権を守る為にしか動いていないからだ。 ・・・ってここまで具体的に書いてきたのに急にぼかした表現にしたのは、あんまり詳しく書くといわゆるネットウヨクと呼ばれる人たちに攻撃される危険性があるからなんだけど、まぁその辺が知りたい人は自己努力で。 日本は、当たり前だけど国だ。国はすでにそこにあるものだと思われがちだけど、これは明らかに人が作ったもので人が運営してる。だからその責任者のモラルによって状況は変わる。我々日本人の生き方がお金を稼ぐことや欲を満たすことに傾きすぎているせいで、このような問題が起きているのかもしれない。高級志向、ブランド志向、その他この類の大衆反応には正直、辟易している。 あらゆる経済活動が全ての価値観を金銭と結びつくように誘導しているようで、たまに恐怖すら感じるときがある。 田中社長が、「消費者も悪い」って言ったのは完全に無責任発言だけど、他の有識者が言ったとすれば、それはこれまで日本人がお得意の「事なかれ主義」で目をつぶってきた問題の一側面を言い当てたものととることが出来る。 世界で最も幸福な国といわれているブータンは国が誘導する政策によっている。 消費税が25%のスウェーデンやデンマークは、ほぼ100%の国民が今の生活に満足していると答えている。国がそれ以上の事をしてくれているからだ。 我々国民は自国に対して何らかの責任を負っている。このような状況も我々にまったく責任がないかといわれれば否と言わざるを得ない。しかしその責任を果す機会が来月末にある。自分だけでなく自分の周りの人や子供たちにとってどのような社会がふさわしいのか、この国の行く末を熟慮した上で判断して欲しい。 ・・・って 余計なお世話か。


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横須賀市の建築家・デザイナー 【松岡淳】 と創る理想の家 

東京・神奈川を中心に全国で活動 【松岡淳建築設計事務所(一級建築士事務所)】