

とりあえず有罪
こんなにもホイホイと映像化して、その結果駄作ばかりを量産し続けるのはもうそろそろやめてほしい。トーエー、トーホー、ショーチクなどの大手製作会社はもっと作品本数を減らしてひとつひとつのクォリティを上げるべきだと思う。
邦画の話。映画を趣味にしていて、年に何百本も観るような人に比べたら及ばないけど、それでも年に相当な数の映画を観てると思う。ちなみにレンタルではほとんど観ない。邦画に限って言えば、去年の映画でよかったのは『フラガール』と『ゆれる』くらいだ。次いで『イヌゴエ』『暗いところで待ち合わせ』『時をかける少女』って感じかな。まぁまぁって思うものもいくつかあったけど、まぁまぁってのは鯔のつまりダメってことだ。
2006年は邦画の勢いがあった年だってことになってるらしいけど、それは単に興行的な話で作品の質とはあまり関係ない。去年は原作モノが多かったけど、せっかく原作が良くても安易に映画化なんかするもんだから、その作品の本質を欠いたものが多くて良質のコンテンツを次々に食いつぶしていくと言う最悪のパターンがあまりにも多かった。
『手紙』
『


ゆれない
未来へとつながる映像文化の発展に貢献した映像人を称える「第1回Invitation AWARDS」の映画賞に西川美和監督の『ゆれる』が選ばれた。 田舎で家業を継ぎ老いた父と暮らす兄。東京で派手に暮らすカメラマンの弟。彼らの幼馴染の女。
女の転落死の唯一の目撃者となった弟の内面描写と兄弟の人間関係が全てであるこの映画は、その揺れ動く感情を水面、吊り橋、草むらなどの情景描写と絡めて紡がれていく。
事件か事故か。疑惑と葛藤に悩む弟を過去最高の演技で魅せるオダギリジョー。不作の年だった2006年の映画界だけど、この映画が屈指の傑作であることはゆるがざる事実だ。