

スペル
『スパイダーマン』のサム・ライミ監督の最新作。銀行のローンデスクで働く女性が客の不動産ローンの延長を断ったことから数々の恐怖に襲われるという話。
結局はただの逆恨みで誰の行動にも正当性を感じず感情移入できる人物がいないので、つまりは面白くない。
宣伝文句として鑑賞後の満足度が脅威の92%!!みたいな事を言っていたが、にわかに信じがたい。 『スペル』
訃報
僕の大学の学長を勤めていた日高敏隆氏が
お亡くなりになりました。
学長という立場でありながら
学生と接することを常に心がけていました。
どんなに忙しくても
教壇に立つことにこだわっていて
週一回ではあったけど
学長の動物行動学の講義は
全学部の生徒に人気があって
とても楽しい講義でした。
心よりご冥福をお祈りいたします。


イングロリアス・バスターズ
ナチス占領下のフランス。家族を虐殺されたショシャナのランゲ大佐に対する復讐劇を軸に、一方では連合軍の極秘部隊「イングロリアス・バスターズ」の作戦実行の様子を平行して描く。
戦争映画でありながら戦闘シーンは無く、ほとんどが会話劇で進行する。この辺がタランティーノらしい。そのタランティーノ節を好む人にとってはオススメできるが、そうでない人にとっては面白みが伝わりにくいかもしれない。ただし、見てみて損の無い映画だとは思う。 『イングロリアス・バスターズ』


クヒオ大佐
純粋な日本人でありながら米軍パイロットの身分を語り、女性をだます結婚詐欺師・クヒオ。詐欺師でありながら計画性が無く間抜けな手口。本人が必死になればなるほど滑稽で笑える。どんな人物なのかもっと掘り下げてみたくなる。
劇中に登場する女性はいとも簡単にだまされてしまうが、そんな彼の詐欺行為は日本の先進国アメリカに対する憧れや負い目とクヒオが抱える個人的なコンプレックスが絶妙にバランスすることで成り立っていたように思う。この頃はそういう時代だったのだろう。
映画全体を通してもそうだけど特にクヒオが自らの過去を語るシーンやラストシーンはシュールでありながらシニカル、かつコミカルな要素もあり製作者の意図に気持ちよく絡め取られる感覚を味わえる。
主演の堺さんは寂しさや切なさを孕んだ笑顔を湛え、つかみ所が無く得体の知れないクヒオにはまさに適役でした。 『クヒオ大佐』