実写版ミギー
『寄生獣』といえば一人の少年の数奇な運命を通して生命の本質を描きつつ、それ故に見えてくる人の尊さと浅はかさを訴えた岩明均の代表作で、万物の霊長である人間こそが地球に寄生する「寄生獣」なのかも知れないと考えさせられる、とても奥の深い作品だ。 ...
自己犠牲的、愛
いわずと知れた東野圭吾の代表作。小説なのに主要登場人物の心情や関係性を一切描かないという手法で描かれている。 お勧めしたいんだけど文庫本なのにポケットに入らないから読むには相当な覚悟が要る。 大体、厚揚げと同じ厚さ。
通過儀礼的、愛。
誰かをはじめて好きになる。というめくるめく感覚、純粋でまっすぐな気持ちを書き綴った前半に対し、純粋でも初々しくもないけど、より現実に即したものの見方で恋愛ができる大人へと成長していく姿を描いた後半の2部構成からなる若者たちの物語。 ...
この曲を本気で聴いた者は悪人になれない
当時の東独は10万人のシュタージ(国家保安省)と20万人の密告者によって独裁政治を保っていたといわれている。監視官のヴィースラーは劇作家・ドライマンの盗聴を命じられるが、そこで聞いたピアノソナタがあまりにも美しい音色だったために、任務の完遂に支障をきたすようになる。 ...
作家性を無視してまで しなければならないこと
月曜日は客さんとの打ち合わせだったから土曜日はホント大変だった。予定を消化しないと帰れないのはわかってたから、とにかく死に物狂いで図面を描いた。終わらなかったら徹夜すればいいんだけど僕にはどうしてもその日のうちに終わらせないといけない理由があった。 ...
「におい」を視覚化する
登場人物の感情や苦悩、葛藤、もしくは、その置かれた状況を疑似体験できることが映画の魅力の一つかもしれない。それは巧みなカメラワークやリアルな音響設計などの視聴覚的効果によって可能になるわけだけど、映像表現ではどうしても伝えられないものの一つに「におい」がある。その映像表現の...